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イギリス史10講 [ 近藤和彦 ]のレビューは!?

40代 男性さん
イギリス史の柱はキリスト教と連合王国だ。キリスト教はローマ軍の到来と共にもたらされた。イギリスはもともとイングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドの各地域がそれぞれ文化の異なる別々の王国であったが、征服や連合を組むことによって連合王国を形成した。また、ヨーロッパ大陸との繋がりも密接で、古くは9世紀頃のヴァイキング襲来、12世紀頃にはイングランドとノルマンディの海峡を跨ぐ複合王朝が形成された。ウェールズやスコットランド、アイルランドのそれぞれの王国との複雑な同盟関係や戦争があり、百年戦争を経て複合王朝は解体され、イングランドとフランスはそれぞれ近世国家への移行していく。 16世紀になるとルネッサンスによりキリスト教の教えは相対化され、イングランド教会のローマからの自立、国王を首長とする国教会が宣言される。16世紀には経済が発展し、労働法の整備が必要となる。また、社会問題が顕在化し、チャリティが社会福祉の柱となっていく。17世紀には国教会はピューリタンへと傾いていくが、カトリックとプロテスタントの宗教的対立がスコットランドやアイルランドとの紛争と結びつき、秩序派のトーリ、自由派のホイッグなどの党派も形成。ほぼ現在へと続く構図が形成される。 18世紀には産業革命が勃興し、貿易を通じてパクス・ブリタニカを迎える。アメリカが独立し、2回の世界大戦を経て植民地が独立。アイルランドも独立。イギリスは大国の地位を失い、経済も衰退するが、サッチャー首相の登場により経済は復活。今もその歴史に支えられ、世界の一流国として独自の地位を占めている。新書1冊にイギリスの通史を詰め込み、かつ歴史学の最新のキーワードも散りばめているので、読後感は少々消化不良の感は否めない。